通関が止まる主な原因
本記事の内容は輸入通関に関する一般的な情報です。通関の最終判断は税関に帰属するため、本情報は許可を保証するものではありません。個別の品目・案件については、フォワーダーまたは通関業者にご確認ください。
通関で止まる原因は決まっています。書類の不備・HSコードの誤り・他法令の確認漏れ・輸出許可証の未取得。この4つで通関トラブルの大半を占めます。それぞれ事前に防げます。
HSコードの未確定・誤り
HSコード(関税分類番号)は輸入申告の核心です。誤ったHSコードで申告すると、税関から訂正を求められ通関が止まります。訂正に数日〜1週間かかるケースがあります。
よくある誤りは「似た品目のHSコードを流用する」「中国側のHSコードをそのまま使う」の2パターンです。中国と日本ではHSコードの分類基準が異なるため、中国側のコードをそのまま使うと誤申告になります。HSコードの確認方法はこちらをご覧ください。
インボイス・パッキングリストの記載不備
品名が曖昧・金額の不一致・原産国の記載漏れなどが主な不備です。中国側の工場が
作成する書類が日本の通関基準を満たしていないケースが多く、通関トラブルの原因と
して最も頻度が高い項目です。
よくある不備パターン・正しい記載例・工場への指示方法は以下で詳しく解説して
います。
他法令の確認漏れ
輸入品によっては、関税法以外の法律の許可・確認が必要なケースがあります。主な他法令は以下です。
- 食品衛生法:食品・食器・調理器具・おもちゃ(乳幼児向け)など
- 電波法:無線機能を持つ電子機器(Wi-Fi・Bluetooth搭載品など)
- 薬機法:化粧品・医薬部外品・医療機器など
- 植物防疫法:木材・植物・土壌など
- 家庭用品品質表示法:繊維製品・電気製品など
他法令の対象になっているにもかかわらず、事前に許可・確認を取っていないと通関が止まります。対象かどうかわからない場合は、出荷前にフォワーダーまたは通関業者に確認してください。
原産地証明書の不備
RCEP(地域的な包括的経済連携協定)を活用して関税を減免するには、原産地証明書が必要です。中国はRCEPの締結国のため、条件を満たせば関税が下がります。ただし原産地証明書の取得を工場側に依頼していない場合、後から取得が難しくなります。
RCEPの活用を検討している場合は、発注時に工場側に原産地証明書の発行を依頼してください。
輸出許可証の未取得
中国側で輸出規制がかかっている品目は、中国政府の輸出許可証が必要です。半導体・軍事転用可能な技術・一部の化学品などが対象です。工場側が輸出許可証を取得していない場合、中国側で止まります。
原因別の対策
- HSコード誤り:出荷前に税関のHSコード検索システムで確認し、フォワーダーにも確認してもらう
- 書類不備:出荷前チェックリストを使って毎回確認する
- 他法令漏れ:新しい品目を輸入する前に必ず他法令の適用有無を確認する
- 原産地証明書:発注時に工場側に取得を依頼する
- 輸出許可証:規制対象品目の場合、工場側に事前に確認する
通関が止まったときの対応手順
通関が止まった場合、フォワーダーまたは通関業者からの連絡内容によって対応が異なります。以下のフローに沿って対応してください。
ステップ①:止まった原因を確認する
- フォワーダー・通関業者に「何が問題か」「税関からの指示内容」を具体的に
確認する - 「書類不備」「HSコード疑義」「他法令該当」「税関検査」のどれかを特定する
ステップ②:原因別の対応
書類不備の場合:
- 不備箇所を工場に伝え、修正インボイス・パッキングリストの再発行を依頼する
- 修正書類を通関業者に提出する(通常2〜5営業日で再開)
HSコード疑義の場合:
- 商品の仕様書・カタログ・写真など、品目を証明できる資料を通関業者に提供する
- 正しいHSコードを確認し、必要に応じて輸入申告を修正する(関税額が変わる
場合は差額を納付) - 判断が難しい場合は税関の事前教示制度を活用する
他法令(食品衛生法・電波法・薬機法等)に該当する場合:
- 該当する省庁への申請・確認手続きを行う(品目によっては数週間かかるケースが
ある) - 食品衛生法:検疫所への届出・検査
- 電波法:技術基準適合証明(技適)の取得または輸入者への説明
- 薬機法:製造販売業の許可手続き
税関検査の場合:
- 検査官の指示に従い、必要に応じて立ち会いや書類追加提出を行う
- 通常1〜5営業日。問題がなければそのまま通関許可が下りる
ステップ③:保管料の確認
- 通関が止まっている間、貨物は港のCFSに留まる
- フリータイム(無料保管期間)の残日数をフォワーダーに確認する
- フリータイム超過が見込まれる場合は延長交渉または早期解決を優先する
出荷前チェックリスト
- HSコードは確定しているか、フォワーダーに確認したか
- インボイスの品名は具体的に記載されているか
- インボイスの単価・数量・合計金額は正確か
- パッキングリストの重量・容積は実測値と一致しているか
- 原産国は正確に記載されているか
- 他法令の対象品目でないか確認したか
- RCEPを活用する場合、原産地証明書の取得を依頼しているか
- 中国側の輸出規制対象品目でないか確認したか
通関トラブルの実例
- 電子部品を「PARTS」と記載したため品名不明として検査対象になり、5営業日止まった
- Wi-Fi搭載スピーカーを輸入した際に電波法の技適未取得が発覚し、通関が止まって返送になった
- 中国側のHSコードをそのまま使って申告したところ、日本の分類と異なり関税率が変わった
- 春節明けに出荷したが原産地証明書の取得が間に合わず、RCEPの関税優遇を受けられなかった
このリスクをプロと一緒に防ぐ
通関トラブルの事前防止はHSコードの確定と書類の整備から始まります。「うちの
品目は問題ないか確認したい」「初めて輸入する品目がある」という場合は、状況を
そのまま相談フォームに書いてください。
遅延トラブルの全体像を確認する
案件の条件を相談したい方へ
「通関で止まったことがある」「新しい品目の輸入で他法令の確認をしたい」など、状況をそのまま書いてください。
本記事の内容は輸入通関に関する一般的な情報です。通関の最終判断は税関に帰属するため、本情報は許可を保証するものではありません。個別の品目・案件については、フォワーダーまたは通関業者にご確認ください。
