中国輸送で通関が止まる主な原因
中国から日本へ商品を輸入するとき、荷物が日本に到着しているのに通関で止まることがあります。
このとき問題になるのは、船や航空便の遅れだけではありません。多くの場合、商品内容、HSコード、インボイス、パッキングリスト、規制品確認、取引条件のどこかに確認不足があります。
通関で止まると、納期が遅れます。販売開始がずれます。保管料や検査費用が発生することもあります。FBA納品やEC販売で在庫計画を組んでいる場合は、販売機会の損失につながります。
この記事では、中国輸送で通関が止まる原因を整理し、次回から止めないために出荷前に確認すべき情報をまとめます。
対象は、中国から日本へ継続的に商品を輸入している法人・個人事業主です。個人使用の少量輸入、一回限りの小口輸入、模倣品・偽造品、危険品、商品内容が不明な案件は対象外、または事前確認が必要です。
通関で止まる原因は、出荷前の情報不足に集中する
通関が止まる原因は、突発的な問題に見えても、出荷前の確認不足から起きることが多いです。
代表的な原因は、次の5つです。
- HSコードが未確定、または品目に合っていない
- インボイス・パッキングリストの記載が不足している
- 商品説明が曖昧で、税関が内容を判断できない
- 食品衛生法、電波法、薬機法、植物防疫法などの他法令確認が不足している
- 原産地証明書、検査書類、許可書など、必要書類が揃っていない
つまり、通関対策で最初にやるべきことは、通関後に慌てることではありません。出荷前に、商品情報と書類情報を整理することです。
通関で止まりやすい案件は、出荷前の確認が必要です。
商品名、材質、用途、重量、CBM、出荷地、配送先、インボイス内容が揃っていれば、輸送前に確認できる範囲が増えます。
原因1:HSコードが未確定、または品目に合っていない
HSコードは、輸入申告で使う品目分類番号です。関税率、輸入消費税の計算、他法令確認、原産地規則の確認に関係します。
HSコードが未確定のまま出荷すると、次の問題が起きます。
- 関税率が確定できない
- 輸入原価が読めない
- 他法令の確認が遅れる
- 税関から商品説明や資料提出を求められる
- 通関許可までの時間が延びる
注意すべきなのは、品名だけでHSコードを確定できないことです。
例えば「部品」「雑貨」「アクセサリー」「ケース」「機械部品」のような品名だけでは不十分です。材質、用途、構造、成分、加工状態、セット内容、輸入時の状態まで見ないと、分類を判断できません。
また、中国側のHSコードをそのまま日本の輸入申告に使えるとは限りません。国際的に共通する部分はありますが、日本側の申告では日本の分類・税率・他法令確認に合わせた確認が必要です。
HSコードが不安な場合は、先に以下を整理してください。
- 商品名
- 材質
- 用途
- 構造
- 成分表
- カタログ、仕様書、商品ページ
- 写真
- サンプルと本輸入品の違い
HSコード未確定のリスクは、HSコードが未確定のまま輸入するリスクで詳しく整理しています。
原因2:インボイス・パッキングリストの記載不備
通関で最も多い実務上の詰まりは、インボイスとパッキングリストの不備です。
中国側サプライヤーが作成した書類をそのまま使うと、日本側の通関で必要な情報が足りないことがあります。
インボイスで確認すべき項目
- 売主名、買主名
- 品名
- 数量
- 単価
- 合計金額
- 通貨
- インコタームズ
- 原産国
- 材質、用途、型番などの商品説明
パッキングリストで確認すべき項目
- カートン数
- 総重量
- 正味重量
- 各箱のサイズ
- 総CBM
- 梱包形態
- マーク番号
- インボイスとの数量一致
よくある不備は、品名が曖昧なことです。
「goods」「parts」「sample」「accessory」「plastic products」だけでは、税関や通関業者が商品内容を判断しにくくなります。商品説明が不足していると、追加資料の提出を求められます。
インボイス・パッキングリストの作り方は、中国側の書類不備で輸送が止まる典型パターンで詳しく解説しています。
原因3:商品説明が不足している
インボイスに品名が書かれていても、それだけで十分とは限りません。
税関や通関業者が知りたいのは、「その商品が何で、何に使われ、どの分類に入るのか」です。
次のような商品は、追加説明を求められやすいです。
- 機械部品
- 電気製品
- バッテリーを含む商品
- 化粧品に近い商品
- 食品・食器・調理器具
- 乳幼児向け商品
- 繊維製品
- 木材、植物由来の商品
- 用途がわかりにくい雑貨
商品説明が不足している場合は、出荷前にサプライヤーへ次の資料を依頼してください。
- 商品写真
- 商品カタログ
- 仕様書
- 材質表
- 成分表
- 用途説明
- 型番一覧
- 製造工程の簡単な説明
- 電池の有無
- ブランド・ロゴの有無
この段階で情報を出せないサプライヤーの商品は、通関だけでなく、規制確認や品質確認でも詰まりやすくなります。
原因4:規制品・他法令の確認不足
輸入通関では、関税法だけを見ればよいわけではありません。
商品によっては、食品衛生法、電波法、薬機法、植物防疫法、家畜伝染病予防法、外為法など、関税以外の法律確認が必要です。これらは一般に「他法令」と呼ばれます。
他法令の対象になる商品を、確認しないまま出荷すると、通関時に止まります。許可、届出、検査、証明書が必要な場合は、それらを用意しないと輸入許可に進めません。
確認が必要になりやすい商品の例
| 商品例 | 確認が必要になりやすい内容 |
|---|---|
| 食品、食器、調理器具 | 食品衛生法、材質、成分、製造者情報 |
| Wi-Fi・Bluetooth搭載品 | 電波法、技適、無線機能の有無 |
| 化粧品、医療機器に近い商品 | 薬機法、成分、用途、表示内容 |
| 木材、植物、土付き商品 | 植物防疫法、原材料、加工状態 |
| 革製品、動物由来品 | ワシントン条約、家畜伝染病予防法など |
| バッテリー、液体、粉末 | 輸送上の危険品確認、SDS、UN38.3など |
規制品に該当するかどうかは、商品名だけでは判断できません。材質、成分、用途、対象年齢、電池の有無、ブランド表示、動植物由来かどうかまで確認してください。
規制品・危険品の確認は、中国輸入の危険品・規制品リストもあわせて確認してください。
原因5:原産地証明書・許可書・検査書類の不備
関税率を下げるためにEPAやRCEPを使う場合、原産地証明や原産地規則の確認が必要です。
「中国から出荷した商品だから中国原産」とは限りません。どこで作られたか、どの材料を使ったか、どの加工をしたかによって原産地の判断は変わります。
原産地証明書の記載が不正確な場合、協定税率を使えないことがあります。その場合、想定より関税が高くなり、原価計算が崩れます。
また、商品によっては検査成績書、成分表、SDS、UN38.3、輸入許可、届出書類などが必要になることもあります。
関税と原価の考え方は、中国輸入の関税計算ガイドで確認できます。
通関が止まったときに最初に確認すること
すでに通関で止まっている場合は、感覚で対応してはいけません。まず、止まっている理由を特定します。
ステップ1:どこで止まっているか確認する
- 日本到着前なのか
- 港・空港到着後なのか
- 輸入申告前なのか
- 税関審査中なのか
- 税関検査中なのか
- 他法令確認中なのか
- 国内配送前なのか
「通関で止まっている」と言っても、実際には書類待ち、検査待ち、許可待ち、国内配送手配待ちが混ざります。場所と原因を分けて確認してください。
ステップ2:追加で求められている資料を確認する
税関、通関業者、フォワーダーから追加資料を求められている場合は、何を求められているかを正確に確認します。
- 商品説明資料
- 材質表
- 成分表
- 用途説明
- カタログ
- 写真
- 価格根拠資料
- 原産地関連資料
- 許可書、届出書、検査書類
このとき、サプライヤーへ曖昧に依頼すると、また不完全な資料が戻ってきます。必要な項目を具体的に指定してください。
ステップ3:保管料・検査費用・納期影響を確認する
通関が長引くと、保管料、検査費用、配送再手配費用が発生することがあります。
特にLCL輸送では、港や倉庫での保管日数が伸びると追加費用が出ます。追加費用の有無、いつから発生するのか、誰が支払うのかを早めに確認してください。
輸送全体の遅延原因は、中国から日本への輸送で遅延が起きる原因でも整理しています。
次回から通関で止めないための出荷前チェックリスト
通関トラブルを減らすには、出荷前に情報を揃えることが重要です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 商品内容 | 品名、材質、用途、構造、成分、型番を説明できるか |
| HSコード | 品名だけで判断せず、商品情報をもとに確認しているか |
| インボイス | 品名、数量、単価、金額、通貨、原産国、取引条件が入っているか |
| パッキングリスト | カートン数、重量、サイズ、CBM、梱包形態が入っているか |
| 他法令 | 食品、電波、薬機、植物、動物、外為などの確認が必要か |
| 規制品 | 危険品、電池、液体、粉末、ブランド品、模倣品の疑いがないか |
| 原産地 | 協定税率を使う場合、原産地証明と原産地規則を確認しているか |
| 納期 | 通関確認に時間がかかった場合でも販売計画に間に合うか |
| 輸送条件 | 出荷地、配送先、重量、CBM、輸送頻度が整理されているか |
書類全体の確認は、中国輸入で使う書類一覧を先に確認してください。
DIGISHIPに相談しやすい案件条件
DIGISHIPに向いているのは、通関リスクを出荷前に整理し、継続的に輸送を安定させたい案件です。
相談しやすい案件
- 法人・個人事業主の業務輸送
- 中国から日本への継続輸入
- 200kg〜600kg前後の中量輸送
- FBA、EC販売、卸販売向けの商品輸入
- 航空・クーリエから海上輸送へ切り替えたい案件
- 通常の海上輸送では納期が遅く、改善したい案件
- 通関・書類・HSコードで過去に止まったことがある案件
- 複数サプライヤーの商品をまとめて輸送したい案件
- 現在のフォワーダーから乗り換えを検討している案件
事前確認が必要、または対応が難しい案件
- 個人使用の少量輸入
- 一回限りの小口輸入
- 模倣品・偽造品の疑いがある商品
- 商品内容、重量、CBM、出荷地が不明な案件
- 危険品、規制品で資料が揃っていない案件
- 必要な許可、届出、証明書の確認が済んでいない案件
対応が難しい案件を無理に進めると、通関停止、追加費用、納期遅延の原因になります。まず商品情報を整理してください。
相談前に用意したい情報
通関リスクを事前に確認するには、最低限、次の情報が必要です。
- 商品名
- 商品写真または商品ページ
- 材質、用途、成分、型番
- 出荷地
- 日本側の配送先
- 重量
- CBM
- カートン数
- 輸送頻度
- 希望納期
- 現在の輸送方法
- インボイス、パッキングリストの有無
- 過去に止まった理由、追加で求められた資料
まだ重量やCBMが不明な場合は、サプライヤーから梱包後のサイズと重量を確認してください。CBMが分かれば、輸送方法や料金の判断がしやすくなります。
CBM・R/T計算ツールを使うと、容積と重量のどちらで運賃計算されやすいかを確認できます。
通関で止まる前に、輸送条件を整理する
通関トラブルは、起きてから対応すると時間と費用が増えます。
特に、継続輸入、FBA納品、EC販売、卸販売では、1回の通関停止が次回以降の販売計画にも影響します。次回から止めないためには、出荷前に商品情報、書類、HSコード、他法令、輸送条件を整理しておく必要があります。
中国から日本への業務輸送で、通関停止を避けたい場合は、以下の情報を揃えてから相談してください。
- 何を輸入するのか
- どこから出荷するのか
- どこへ配送するのか
- 重量とCBMはいくつか
- いつまでに必要か
- 毎月どのくらい輸送するのか
- 過去にどこで止まったのか
送料と納期もあわせて確認する
通関リスクだけを見ても、輸送計画は完成しません。
商品が通関できても、送料が高すぎれば利益が残りません。納期が合わなければ販売計画が崩れます。通関、送料、納期は分けて考えず、同時に整理してください。
輸送条件がある程度まとまっている場合は、料金確認へ進めます。
サービス内容を先に確認したい場合は、DIGISHIPでできることをご覧ください。
