中国から日本へのドアツードア輸送|工場集荷・通関・国内配送

中国から日本へのドアツードア輸送とは、中国側の工場または倉庫から貨物を引き取り、日本側の指定納品先まで輸送する手配です。

ただし、「ドアツードア」と書かれているだけでは、どこからどこまでの作業と費用が含まれるのかは確定しません。

中国側で工場から貨物を積み込む作業、日本到着後の輸入通関、関税・輸入消費税、日本国内での荷下ろし、建物内への搬入などが、すべて自動的に含まれるわけではないためです。

このページでは、中国から日本へ1回200kg以上の事業用貨物を輸送する法人・個人事業主向けに、工場集荷から最終納品までの工程と、見積もり前に確認すべき条件を整理します。

1回200kg以上の中国発業務輸送を相談する

ドアツードア輸送は「集荷先」と「引渡し地点」の指定が必要

ドアツードア輸送は、国際運賃だけを示す言葉ではありません。中国側の集荷、輸出通関、国際輸送、日本側の輸入通関、国内配送などをつないで、指定地点まで運ぶ輸送の組み立て方です。

重要なのは、最初のドアと最後のドアを具体的に決めることです。

確認する地点 確認内容
中国側の出発地点 工場、サプライヤー倉庫、指定集約倉庫、港・空港側倉庫のどこから始めるか
日本側の引渡し地点 港、保税倉庫、会社、工場、物流倉庫、店舗、FBAなど、どこまで運ぶか
荷下ろし地点 車上で引き渡すのか、軒先で下ろすのか、建物内まで搬入するのか
作業範囲 積み込み、荷下ろし、開梱、搬入、設置、廃材回収などを誰が行うか

例えば「日本の店舗まで配送」と指定しても、トラックからの荷下ろし、店舗内への搬入、開梱、組み立てまで含まれるとは限りません。

住所だけではなく、どの状態で貨物を引き渡せば輸送完了になるのかを、見積書または手配条件に記載する必要があります。

中国の工場から日本の納品先までの工程

一般的なドアツードア輸送は、次の工程を組み合わせます。実際に必要な工程は、出荷条件、輸送方法、商品、日本側の納品条件によって変わります。

工程 主な作業 事前に確認すること
1. 出荷準備 梱包、表示、数量確認、書類作成 梱包後寸法、総重量、梱包数、商品明細、出荷可能日
2. 中国側集荷 工場・倉庫から貨物を引き取る 集荷住所、積み込み設備、車両進入条件、集荷時間
3. 中国側倉庫への搬入 LCL・航空貨物等を指定倉庫へ搬入する 工場集荷か、サプライヤーによる倉庫持ち込みか
4. 輸出通関 中国側で輸出申告を行う 輸出者、申告書類、商品内容、輸出可否
5. 国際輸送 海上LCL、FCL、航空等で日本へ輸送する 物量、納期、品目、荷姿、積み替えの有無
6. 日本到着後の荷役 船・航空機からの取り下ろし、仕分け、保管 CFS、ターミナル、デバンニング等の費用範囲
7. 輸入通関 輸入申告、審査、必要に応じて税関検査 輸入者、HSコード、関税評価、他法令の確認
8. 日本国内配送 港・空港側施設から指定先へ配送する 車両、時間指定、荷下ろし、搬入口、予約条件

日本で外国貨物を引き取るには、原則として輸入申告を行い、必要な審査・検査と税金の納付を経て、輸入許可を受ける必要があります。商品によって別の法令による許可・承認等が必要な場合は、税関の輸入許可前に所管機関で手続きを進めます。

詳しい制度は、税関の輸入通関手続の概要で確認できます。

中国側は「工場集荷」と「指定倉庫への搬入」を分けて考える

中国側の輸送開始方法には、主に次の二つがあります。

工場やサプライヤー倉庫まで集荷に行く

輸送手配側が、指定された工場や倉庫へ車両を手配する方法です。

次の情報が必要です。

  • 中国側の集荷住所と担当者
  • 出荷可能日と集荷可能時間
  • 梱包数、梱包後寸法、総重量
  • 一梱包ごとの重量
  • フォークリフト等の積み込み設備
  • 大型車両の進入可否
  • 階上や地下からの搬出作業の有無

工場に積み込み設備がない場合や、一梱包が重い場合は、通常の集荷車両だけでは対応できない可能性があります。

サプライヤーが指定倉庫へ貨物を持ち込む

サプライヤー側が、中国の港・空港周辺などにある指定倉庫まで貨物を運ぶ方法です。

この場合でも、倉庫搬入費、荷受け条件、搬入番号、締切日時、書類提出方法を確認します。指定倉庫へ到着しただけで輸出準備が完了するとは限りません。

複数のサプライヤーから集める場合は、商品と書類の対応関係を崩さないことが重要です。詳しくは、中国の複数サプライヤー商品をまとめて輸送する方法を確認してください。

海上LCL・FCL・航空輸送で工程が変わる

輸送方法 中国側 日本到着後 確認の重点
海上LCL 指定倉庫で他社貨物と混載する CFS等でコンテナから取り出し、貨物単位で引き取る 搬入費、CFS関連費用、最低課金、破損しにくい梱包
海上FCL 一社の貨物でコンテナを使用する コンテナのまま配送するか、倉庫でデバンニングする コンテナ積み込み、ドレー、返却期限、荷下ろし時間
航空輸送 航空貨物用倉庫へ搬入する 空港側施設から通関後に国内配送する 実重量と容積重量、搭載制限、空港費用、緊急配送条件

LCLとFCLは、単純に貨物量だけで決めるものではありません。梱包数、総CBM、貨物の壊れやすさ、積み込み方法、日本側での荷下ろし設備も含めて比較します。

輸送方法全体の選び方は中国から日本への輸送方法の選び方、LCLとFCLの比較はLCLとFCLの違いと選び方で確認できます。

EXW・FOB・CIFとドアツードア輸送の関係

EXW、FOB、CIFなどのインコタームズは、売主と買主の間で、輸送上の費用、危険、手続きの分担を決める取引条件です。

一方、ドアツードアは、どの地点からどの地点まで物流を手配するかを示す言葉として使われます。

そのため、ドアツードア輸送を依頼する場合でも、売買契約の取引条件を確認する必要があります。

取引条件 ドアツードア手配で特に確認すること
EXW 工場での積み込み、中国国内輸送、輸出通関を誰が手配・負担するか
FOB FOB地点までの中国側手配と、それ以降の国際輸送・日本側手配の接続
CIF 日本到着後の港費用、輸入通関、税金、国内配送が別途になるか

FOBやCIFとだけ書かれていても、指定港や契約上の引渡し地点が不明確では費用範囲を確定できません。詳しくはFOB・CIF・EXWの違いと輸送費への影響を確認してください。

DDPとドアツードアは同じ意味ではない

DDPとドアツードアを同じ意味として扱うと、輸入者、税金、通関責任の認識がずれるおそれがあります。

DDPはインコタームズの一つで、売主が指定仕向地までの輸送に加え、原則として輸入通関手続きと関税等の負担も担う条件です。ICCは、DDPでは売主が輸出、通過、輸入通関の手続きと費用を負担すると説明しています。

一方、ドアツードアは物流の手配範囲を示します。買主が日本側の輸入者となり、輸入通関と税金を負担するドアツードア手配もあります。

したがって、見積もりでは次の項目を別々に確認してください。

  • 日本側の輸入者は誰か
  • 輸入申告の名義は誰か
  • 関税・輸入消費税を誰が納付するか
  • 通関業者への依頼者は誰か
  • 貨物の引渡し地点はどこか
  • 荷下ろしを誰が行うか

DDPの公式説明は、ICC AcademyのIncoterms 2020: DAP or DDP?で確認できます。

見積もりに含まれる費用と含まれない費用

ドアツードア見積もりでは、総額だけでなく、工程ごとの費用範囲を確認します。

費用区分 確認する費用 確認方法
中国側 工場集荷、倉庫搬入、輸出通関、輸出側諸費用 出発地点と積み込み作業を明記する
国際輸送 海上・航空運賃、付帯費、必要に応じて貨物保険 運賃の有効期限と対象区間を確認する
日本到着後 CFS、ターミナル、D/O、デバンニング、輸入通関等 一式表示ではなく、主要項目の有無を確認する
税金 関税、輸入消費税、品目によって発生する内国消費税等 見積額か実額精算か、納付者は誰かを確認する
国内配送 港・空港から納品先までの配送、時間指定、荷下ろし 車種、引渡し方法、付帯作業を明記する

日本側の港・倉庫で発生する費用は、貨物量、輸送方法、港、保管状況などで変わります。詳しくは中国輸入の港到着後費用を確認してください。

関税と輸入消費税の計算構造は、中国輸入の関税・輸入消費税の計算方法で確認できます。

条件によって追加費用が発生する

出荷時点では確定できず、実際の作業状況によって発生する費用があります。

  • 税関検査に伴う貨物の移動、開梱、再梱包、立ち会い
  • 書類不備や許可待ちによる保管
  • コンテナや機器の返却期限超過
  • 集荷先・納品先での車両待機
  • 住所、数量、納品日時の変更
  • 納品先不在や受け入れ不能による持ち戻り・再配達
  • 通常車両で対応できない場合の車種変更
  • フォークリフト、クレーン等の荷役設備
  • 階上げ、横持ち、建物内搬入、開梱、設置

税関長が指定した場所で行う税関検査について、税関へ納付する検査手数料等はありません。ただし、検査場所までの運送、開梱、再梱包などは輸入者等が手配し、費用を負担します。

詳しくは税関の輸入貨物についての税関検査を確認してください。

日本側の最終納品条件を住所だけで終わらせない

国内配送費と対応可否を確認するには、住所に加えて荷下ろし条件が必要です。

  • 納品先の種類:倉庫、工場、店舗、事務所、建設現場、FBA等
  • 大型車両が進入・駐車できるか
  • 道路幅、高さ制限、重量制限がないか
  • トラックバースや搬入口があるか
  • 納品予約や受付時間の指定があるか
  • フォークリフトやクレーンがあるか
  • 荷受け担当者を配置できるか
  • 車上渡し、軒先渡し、建物内搬入のどれか
  • パレットの回収・交換条件があるか
  • FBAや指定倉庫独自のラベル・予約・梱包条件があるか

納品先がFBAや外部物流倉庫の場合は、住所を伝えるだけでは不十分です。納品予約、ラベル、パレット、カートン、受入可能時間などの条件を、輸送手配前に確認してください。

ドアツードア見積もりに必要な情報

次の情報がそろっているほど、集荷から納品までの範囲を正確に確認しやすくなります。

区分 必要な情報
中国側 集荷住所、担当者、出荷可能日、積み込み設備、倉庫持ち込みの可否
商品 具体的な商品名、用途、材質、型番、新品・中古、電池・液体・油脂等の有無
貨物 梱包数、梱包後寸法、一梱包重量、総重量、総CBM、荷姿
取引 EXW、FOB、CIF等の取引条件、仕入価格、輸入者名義
書類 Invoice、Packing List、商品説明資料、必要に応じて許可・証明書類
日本側 配送先住所、納品先の種類、車両制限、荷下ろし設備、希望納品条件
希望 希望納期、検討中の輸送方法、避けたい条件

Invoice、Packing List、B/L等については、中国輸入で必要な書類一覧を確認してください。

すべての情報が確定していなくても相談できます。ただし、商品内容、集荷地、配送先、重量のいずれも分からない状態では、輸送方法や費用範囲を判断できません。未確定項目は、未確定であることを明記してください。

見積書を受け取った後の確認手順

  1. 中国側の開始地点と日本側の引渡し地点を確認する
  2. 工場での積み込みと日本側の荷下ろしが含まれるか確認する
  3. 輸出通関と輸入通関の手配者を確認する
  4. 港・空港到着後の主要費用が含まれるか確認する
  5. 関税・輸入消費税の負担者と精算方法を確認する
  6. 税関検査、保管、待機、再配達等の追加費用条件を確認する
  7. 国内配送の車種、納品日時、引渡し方法を確認する

「一式」「ドアツードア」とだけ書かれた見積もりは、その言葉だけで費用範囲を判断しないでください。記載がない費用は、無料という意味ではありません。

1回200kg以上の業務輸送を相談する流れ

  1. cn-import.jpの相談ページに、分かる範囲で案件条件を入力する
  2. cn-import.jpから入力内容がDIGISHIPへ共有される
  3. 最初の連絡からDIGISHIP担当者が対応する
  4. 不足情報、商品、荷役条件、対応可否を確認する
  5. 対応可能な場合は、輸送範囲と見積条件を整理する

すべての商品、地域、特殊作業への対応を保証するものではありません。商品内容、梱包、出荷地、納品先、荷役条件を確認したうえで、対応可否が判断されます。

DIGISHIPの対応範囲はDIGISHIPでできること、案件との適性はDIGISHIPが向いている会社・向いていない会社で確認できます。

中国側と日本側の条件をそろえてから相談する

ドアツードア輸送で重要なのは、単に「中国から日本まで」と依頼することではありません。

中国側の集荷・積み込み条件、日本側の通関・税金・荷下ろし条件まで整理し、どこからどこまでを、どの状態で引き渡すのかを決める必要があります。

中国から日本への1回200kg以上の業務輸送について、工場集荷から日本国内配送までの条件を確認したい場合は、現在分かっている情報を相談ページへ入力してください。

中国から日本へのドアツードア輸送を相談する