海上輸送では間に合わないときの選択肢|納期を詰める3つの方法

海上輸送が遅くなる本当の理由

航海日数だけで遅れているわけではない

中国から日本への航海日数は、上海から大阪で2〜3日、東莞から東京で4〜6日程度です。この数字だけ見ると「そこまで遅くない」と感じるかもしれません。

ただし実際のリードタイムはこの航海日数だけでは決まりません。港に着いた後の工程が積み上がります。

港前後の工程で積み上がる日数

  • 中国側の搬入準備(工場での梱包・検品・書類作成・トラック手配からCFS到着まで):2〜5日
  • 航海日数:2〜6日
  • 日本側CFS到着からデバンニング:2〜4日
  • 通関:1〜3日(書類に問題がない場合)
  • 国内配送:1〜3日

合計すると、短くて8日・長くなると3週間以上かかるケースがあります。「海上は遅い」と感じている原因の多くは、この港前後の工程が見えていないことにあります。

納期を詰める3つのアプローチ

高速フェリーに切り替える

通常の海上より速く、航空より安い選択肢です。航海日数そのものを短縮できます。ただし使える案件には条件があります。物量・HSコード・品目が合わない場合は使えません。詳しくはSUPER EXPRESSの使い方をご覧ください。

工程を前倒しする

カット日の具体的な確認方法・逆算スケジュールの作り方・管理表のテンプレートはこちらで詳しく解説しています。

カット日を早めることで、港前の待機時間を減らせます。具体的には中国側の出荷準備を早め、カット日の2〜3日前に搬入できる状態にしておくことが重要です。カット日の管理方法はこちらにまとめています。

通関書類を事前に準備する

通関で止まる原因の多くは書類の不備です。インボイス・パッキングリストの記載ミス、HSコードの未確定、他法令の確認漏れ。これらを出荷前に整えておくだけで、日本側の通関がスムーズになります。通関で止まる原因の詳細はこちらをご覧ください。

納期短縮のためのアクションチェックリスト

海上輸送で納期を詰めるために、各工程で実施すべきアクションを時系列で整理します。

  • 発注時:工場に梱包完了希望日を明示する(製造完了日ではなく搬入可能日を指定する)
  • 製造完了3日前:インボイス・パッキングリストのドラフトを工場から取り寄せ、不備を事前確認する
  • 製造完了時:フォワーダーに搬入予定日を通知し、カット日を最終確認する
  • 搬入前日:工場のトラック手配が完了しているか確認する
  • 搬入完了後:フォワーダーにB/L(船荷証券)ドラフトの早期発行を依頼する
  • 出港後:日本側通関業者にB/Lを送付し、貨物到着前に書類審査を開始する

特に効果が大きいのは「製造完了3日前のドラフト確認」と「出港後の書類事前送付」です。これだけで日本側の通関が1〜2日早まるケースがあります。

それでも間に合わない場合

上記の3つを実施しても納期が合わないケースがあります。主に以下の状況です。

  • 注文から納品まで1週間以内が必要
  • 季節商品でピーク前に必着する必要がある
  • FBA納品の期限が直前に変更になった

このような場合は航空輸送を選択するしかありません。ただし航空を使う前に、そもそも注文リードタイムの設計を見直すことで解決できるケースもあります。

航空に戻す前に確認すること

  • 納期が間に合わない原因は輸送時間か、それとも工程設計か
  • 高速フェリーで対応できる物量・条件か
  • 工程を前倒しすれば通常の海上で間に合うか

これを整理してから判断しないと、航空に戻して送料が上がるだけで問題が解決しないことがあります。

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