LCLとFCLの違いと選び方|中国輸入の物量別コスト比較

LCLとFCLの基本的な違い

LCL(Less than Container Load)

複数の荷主の貨物を一つのコンテナに混載して輸送する方式です。コンテナ1本分の物量がない場合に使います。貨物が占めるスペース分だけ料金を払うため、少量輸送に向いています。

ただし複数の荷主の貨物が混在するため、港での仕分け作業(デバンニング)が発生します。FCLに比べてリードタイムが長くなりやすく、CFSチャージ・デバンニング費用などの港着後費用が別途かかるケースがあります。

FCL(Full Container Load)

コンテナ1本を1荷主が占有する方式です。20フィートコンテナ(約25〜28トン・約33CBM)または40フィートコンテナ(約25〜26トン・約67CBM)を丸ごと使います。

コンテナを丸ごと使うため、他の荷主の貨物と混在しません。デバンニング作業が不要で、LCLより通関・引き取りが速くなります。ただしコンテナ1本分の料金がかかるため、物量が少ないと割高になります。

費用の計算方法

LCLの料金計算(R/T単位)

LCLの海上運賃はR/T(Revenue Ton)単位で計算します。R/Tとは重量トン(1,000kg=1トン)と容積トン(1CBM=1トン)のどちらか大きい方を採用する単位です。

計算例:重量300kg・容積2CBMの貨物の場合。

  • 重量トン:300kg ÷ 1,000 = 0.3トン
  • 容積トン:2CBM = 2トン
  • R/T:大きい方の2トンを採用

運賃単価(例:1R/Tあたり5,000円)× R/T(2トン)= 10,000円がベースの海上運賃になります。これにCFSチャージ・THC・デバンニング・国内配送が加わります。

FCLの料金計算(コンテナ単位)

FCLはコンテナ1本あたりの料金で計算します。物量に関わらずコンテナ1本分の料金がかかります。

  • 20フィートコンテナ(20ft):中国→日本で目安60,000〜150,000円程度(海上運賃のみ・時期・路線によって変動)
  • 40フィートコンテナ(40ft):中国→日本で目安80,000〜200,000円程度(同上)

FCLの場合もDOC費・THC・通関費・国内配送費が別途かかります。

※上記は2026年時点の参考価格です。燃料サーチャージ・為替・時期により変動します。正確な金額は料金計算ツールでご確認ください。

FCLの費用構造はインコタームズによっても変わります

どちらが安いかの分岐点

重量・CBMで変わる分岐点の目安

一般的にLCLからFCLに切り替えた方がコスト的に有利になる分岐点は、20フィートコンテナで約7〜12R/T程度と言われています。ただしこの分岐点は路線・時期・品目によって変わるため、必ず見積もりを比較して判断してください。

  • 5R/T以下:LCLの方がほぼ確実に安い
  • 5〜10R/T:LCLとFCLの費用差が縮まる。この範囲に入ったら必ず両方の見積もりを比較する
  • 10R/T前後:LCLとFCLのコストが逆転しやすい分岐点。20フィートコンテナ(FCL)の検討を開始する目安
  • 15R/T以上:FCL(20フィート)がほぼ確実に安い
  • 25R/T以上:FCL(40フィート)を検討する

※上記はあくまで目安です。実際の分岐点は路線・時期・品目・出荷地によって変わります。必ず両方の見積もりを比較して判断してください。

頻度で変わる判断

月に複数回輸送している場合、LCLを複数回使うより、まとめてFCLで輸送する方が安くなるケースがあります。ただし在庫を持つコストとのバランスを考慮する必要があります。

  • 在庫リスクを取れる場合:まとめてFCLで輸送してコストを下げる
  • 在庫リスクを取りたくない場合:LCLで高頻度・少量輸送する

納期・セキュリティの違い

  • 納期:FCLはデバンニング作業が不要なため、LCLより通関・引き取りが1〜3日速くなるケースが多い
  • セキュリティ:FCLは自社貨物だけがコンテナに入るため、他社貨物との接触による破損リスクがない
  • 柔軟性:LCLは少量から輸送できるため、発注量が変動する場合に対応しやすい

保険の判断基準は こちら

よくある失敗パターン

LCLで大量輸送して割高になる

物量が増えてきてもLCLを使い続けているケースがあります。10R/Tを超えてもLCLを使い続けると、FCLより大幅に割高になります。定期的に物量を確認して、FCLへの切り替えタイミングを逃さないようにしてください。

FCLで少量輸送してスペースを無駄にする

「FCLの方が安い」と聞いてコンテナを1本使ったが、実際の物量が少なくスペースの大半が空だったというケースがあります。FCLはコンテナ1本分の料金がかかるため、物量が少ない場合はLCLより割高になります。

分岐点を計算せずに感覚で決める

「なんとなくLCLを使い続けている」「なんとなくFCLの方が良さそう」という判断は、費用の無駄につながります。現在の物量と頻度を把握した上で、見積もりを比較して判断してください。

バイヤーズコンソリデーションという第三の選択肢

LCLかFCLかという二択で悩む前に、もう一つ知っておくべき輸送方式がある。バイヤーズコンソリデーション(買主集約)だ。

バイヤーズコンソリデーションとは何か

複数のサプライヤーから仕入れた商品を、中国側の集約倉庫(コンソリ倉庫)にいったん集め、1つのコンテナにまとめてFCLとして輸送する方法だ。荷主が自社の貨物だけを1本のコンテナに集約するため、他社の貨物とは混載されない。

LCL・FCLとの違い

比較項目 LCL(混載) FCL(貸切) バイヤーズコンソリ
他社との混載 あり なし なし(自社のみ)
必要な最低物量 1CBMから可 20〜25CBM以上が効率的 複数サプライヤーの合計で確保
セキュリティ 他社貨物と同一コンテナ 高い 高い(FCLと同等)
通関スピード 他貨物の影響を受けることがある 速い 速い(FCLと同等)
集約倉庫の保管費用 不要 不要 別途発生
サプライヤー遅延の影響 なし なし 1社の遅れが全体を遅らせる可能性

どんな状況に向いているか

バイヤーズコンソリデーションが有効なのは、次のような条件が重なるケースだ。

  • 複数の工場・サプライヤーから同時期に仕入れていて、それぞれはFCLに満たない物量
  • 他社の貨物と混載させたくない(高額品・精密機器・ブランド商品)
  • 通関処理をFCL並みのスピードで行いたい
  • 義烏市場など複数ブースからの集荷をまとめて輸送したい(義烏ガイド参照)

デメリットは、集約倉庫での保管・仕分け費用が別途発生すること、そしてすべてのサプライヤーの貨物が揃うまで出荷できないことだ。1社の遅れが全体の出荷スケジュールを遅らせるリスクは、サプライヤーへの事前の納期確認と、集荷倉庫の締切日管理で対応する。

DIGISHIPのCONTAINER FCLサービスはバイヤーズコンソリデーションに対応している。複数サプライヤーからの集荷をまとめて1本のコンテナにする手配が可能だ。

複数サプライヤーからの集荷をまとめて輸送したい
現在LCLを複数回に分けて使っている場合、バイヤーズコンソリに切り替えることでコストと通関スピードが改善するケースがあります。まず料金の目安を確認するか、具体的な案件の条件をご相談ください。
▶ FCL・コンソリの料金を確認する / ▶ 集荷まとめ輸送を相談する

中国輸入での実際の使い分け

  • 月1〜2回・100〜300kg程度の継続輸入:LCLが現実的
  • 月1回・500kg〜1トン程度にまとめられる場合:LCLとFCLを比較する価値あり
  • 月1回・2トン以上をまとめて輸送できる場合:FCL(20フィート)を検討
  • 月1回・5トン以上:FCL(40フィート)を検討

実際の費用は出荷地・配送先・時期によって変わります。DIGISHIPの料金計算ツールでLCLの料金目安を確認できます。FCLについては相談フォームからご確認ください。

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