FBA納品で航空を使い続けるコスト
中国から仕入れてAmazon FBAに納品している事業者の多くは、最初は航空輸送を使います。速くて確実で、クーリエなら通関もまとめて対応してくれます。
ただし物量が増えるにつれて送料が利益を食い始めます。100kgを超えると航空運賃は数万円単位で増え、200kgを超えると送料だけで月に十数万円から数十万円になるケースがあります。FBAの手数料・広告費・仕入れ原価に加えて送料がこの水準になると、利益が残らない構造になります。
「送料を下げたいが、海上に切り替えると納品期限に間に合わないのでは」という不安で踏み切れない事業者が多い。その不安は解消できます。
海上輸送でFBA納品するための条件
納期の逆算(FBA納品期限から工程を組む)
FBA納品を海上輸送で行う場合、納品期限から逆算して工程を組む必要があります。
- FBA納品期限を確認する
- 日本側の配送・FBA受け取りに必要な日数を引く(通常2〜3日)
- 通関に必要な日数を引く(通常1〜3日)
- 航海日数を引く(出荷地・サービスによって異なる)
- 中国側の搬入・カット日を引く(2〜5日)
- 残った日数が出荷準備にかけられる時間
この逆算が正確にできれば、海上輸送でもFBA納品期限に間に合わせられます。納期が短い案件はSUPER EXPRESS(高速フェリー)を使うことで対応できるケースがあります。
梱包・ラベル要件の事前確認
FBAには梱包・ラベルに関する細かい要件があります。海上輸送で運んだ後に梱包不備で受け取り拒否になると、再梱包・再送のコストが発生します。
- 商品ラベル(FNSKU)の貼り付け位置と形式
- 外装の強度(海上輸送に耐えられる梱包か)
- 1箱あたりの重量・サイズ制限
- 混在禁止品目の確認
中国の工場に梱包・ラベル対応を依頼する場合は、FBAの要件を事前に共有してください。
HSコードと通関書類の準備
海上輸送では輸入通関が発生します。HSコードが確定していないと通関で止まります。加えてインボイス・パッキングリストの記載内容が正確でないと書類の出し直しになります。
HSコードの確認方法はこちらをご覧ください。通関で止まる原因と対策はこちらにまとめています。
FBA向け海上輸送で詰まりやすいポイント
納品期限に間に合わない
工程の逆算が甘いと納品期限に間に合いません。初回は余裕を持ったスケジュールで動かしてください。慣れてきたら工程を詰めていけます。
梱包不備でFBA受け取り拒否
FBAの梱包要件を工場に正確に伝えていないと、日本に着いてから受け取り拒否になります。工場への指示書を日本語・中国語で用意しておくと防ぎやすくなります。
出荷前の検品手順は こちら で詳しく解説しています
通関で止まる
HSコードの未確定・インボイスの記載ミス・他法令の確認漏れが主な原因です。出荷前にチェックリストで確認する習慣をつけると、通関トラブルの大半は防げます。
AmazonのFBA納品ルール変更への対応
Amazonは定期的にFBAの納品ルールを変更します。特に以下は変更が多い項目です。
- 1箱あたりの重量・サイズ制限
- FNSKU(フルフィルメントネットワーク在庫番号)ラベルの仕様
- 品目ごとの梱包基準(ポリ袋・バブルラップの要否等)
- FBA倉庫の在庫制限(ASIN別の受け入れ制限)
海上輸送で中国から商品を送る場合、出荷前にAmazonセラーセントラルで最新の納品ルールを確認してください。ルールが変わっているのに旧基準で梱包・ラベルを貼って送ると、FCでの受け取り拒否や返送が発生します。繁忙期はFBA倉庫の混雑で受け取りに通常より時間がかかるケースもあります。
FBA在庫パフォーマンス指標(IPI)と輸送頻度の関係
AmazonのFBA納品ルールへの対応と並行して、もう一つ押さえておく必要があるのがIPI(在庫パフォーマンス指標)スコアだ。
IPIスコアが一定水準を下回ると、FBA倉庫への保管量に上限が設けられる。スコアを維持するには「過剰在庫を持たない」ことと「欠品させない」ことを同時に実現しなければならない。
航空輸送から海上輸送に切り替える場合、リードタイムが延びる分だけ安全在庫の水準を引き上げる必要がある。しかし在庫を増やしすぎると過剰在庫と判定され、今度はIPIスコアが下がる。この矛盾を解消する現実的な方法が、輸送頻度を月1回から月2回に増やし、1回あたりの納品量を抑えるという設計だ。
| 輸送パターン | 月1回・まとめて納品 | 月2回・分割納品 |
|---|---|---|
| 1回あたりの納品量 | 多い | 少ない |
| FBA在庫保管量 | ピーク時に高くなりやすい | 適正水準を維持しやすい |
| 欠品リスク | 遅延発生時に高まる | 次の便で補充できるため低い |
| IPIスコアへの影響 | 過剰在庫でスコアが下がりやすい | 在庫回転率が上がりスコアを保ちやすい |
| 手配工数 | 月1回 | 月2回(ただし自動化で削減可) |
「海上輸送に切り替えたら在庫管理が難しくなった」という声の多くは、輸送頻度の設計を変えずにリードタイムだけが延びたことが原因だ。高頻度・少量の海上輸送に切り替えることで、在庫水準の適正化と欠品防止を両立できる。
輸送の頻度設計や海上輸送への切り替え方については、クーリエから海上輸送へ切り替える手順も参考にしていただきたい。
月2回の海上輸送、料金はどう変わるか
DIGISHIPでは出荷のたびにオンラインで予約・手配できます。月2回の分割輸送でも手配工数はほぼ変わりません。まずは1回あたりの輸送費をご確認ください。
▶ FBA向け輸送費を料金計算ツールで確認する
オールイン料金で原価を先に固める
FBA販売では原価管理が利益に直結します。送料が毎回変わると、売価設定ができません。
DIGISHIPはオールイン料金(海上運賃・通関・国内配送込み)なので、出荷前に送料の総額が確定します。FBAの手数料・仕入れ原価・送料を先に固めた上で売価を設定できます。
関税・消費税を含めた総原価の計算方法は 関税計算ガイド をご覧ください
実際の費用イメージ
東莞(DONGGUAN)から埼玉県への輸送、200kg / 4CBMの場合の目安です。
- 航空輸送:目安 200,000〜300,000円程度(運賃のみ・通関・配送別)
- DIGISHIP通常便:141,806円(海上運賃・通関・国内配送込み)
関税・消費税は別途発生します。実際の費用は出荷地・重量・配送先によって変わります。
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