中国から機械・生産設備・部品を輸入する方法|梱包・重量物輸送・通関の確認事項

中国から機械・生産設備・部品を輸入する場合、商品名と総重量だけでは輸送方法や費用を判断できません。

機械類では、梱包後の外寸、一梱包ごとの重量、重心、吊り位置、フォークリフトの差し込み位置、中国側工場での積み込み、日本側での荷下ろし方法まで確認する必要があります。

輸送そのものが可能でも、中国側で車両へ積み込めない、日本側の配送先で下ろせない、コンテナの扉を通らないといった問題が起きるためです。

このページでは、中国から日本へ1回200kg以上の機械、設備、部品を輸送する法人・個人事業主向けに、見積もり前に整理すべき条件を解説します。

1回200kg以上の機械・設備輸送を相談する

機械本体・生産設備・交換部品では確認事項が異なる

「機械」とまとめて依頼せず、何をどの状態で輸送するのかを明確にしてください。

貨物の種類 主な確認事項
機械本体 外寸、重量、重心、吊り位置、可動部、電源、油・冷媒・電池等の有無
生産設備・製造ライン 分割単位、梱包番号、組立順序、図面、複数車両・複数コンテナの必要性
交換部品・補修部品 材質、用途、対応機種、型番、数量、単品重量、部品ごとの商品説明

一式の生産設備を分解して輸送する場合は、梱包番号と設備図面を対応させます。日本到着後にどの部品がどの設備に使われるのか説明できる状態が必要です。

交換部品は、本体より軽くても商品点数が増えやすくなります。「machine parts」とだけ記載せず、部品名、材質、機能、使用する機械を整理してください。

最初に確認するのは梱包後の外寸と重量

輸送見積もりには、機械そのものの寸法ではなく、木箱、スキッド、パレット等で梱包した後の寸法と重量を使用します。

最低限、次の情報が必要です。

  • 梱包数
  • 一梱包ごとの縦・横・高さ
  • 一梱包ごとの総重量
  • 貨物全体の総重量と総CBM
  • 最も重い梱包の重量
  • 最も大きい梱包の外寸
  • 段積みの可否
  • 横倒しの可否

総重量が同じでも、200kgの梱包が複数ある場合と、重量が一梱包に集中している場合では必要な荷役設備が異なります。

見積もりでは、総重量だけでなく「一番重い梱包をどのように持ち上げるか」を確認してください。

重心・吊り位置・荷役方法を工場へ確認する

重量物は、外観だけで安全な持ち上げ方を判断できません。中国側工場またはメーカーに、次の情報を確認します。

  • 重心位置
  • 吊り位置と吊り上げ可能な箇所
  • 吊り金具、アイボルト等の有無
  • フォークリフト差し込み位置
  • 使用できるフォークの長さと必要能力
  • クレーンでの荷役可否
  • 機械底面の強度
  • 輸送中に動く部分の固定方法
  • 傾斜・横倒しが禁止されているか

重心が片側に寄っている機械を、箱の中央に重心がある前提で持ち上げると、転倒や落下につながります。

吊り位置やフォーク差し込み位置が決まっている場合は、文章だけでなく、写真や図面に位置を表示してください。梱包後もその位置が分かるようにします。

木箱・スキッド・パレットを貨物に合わせて選ぶ

梱包方法 特徴 確認事項
木箱 機械全体を囲い、接触や水濡れを防ぎやすい 箱の強度、底部、吊り位置、開梱方法、木材こん包材の処理
木枠 外観を確認しやすく、密閉木箱より軽くできる場合がある 突起部、精密部、雨水、他貨物との接触への保護
スキッド 機械を台座へ固定して荷役しやすくする 固定強度、重心、フォーク差し込み位置、上部保護
パレット 比較的小型の機械や部品をまとめやすい パレット耐荷重、荷崩れ、はみ出し、段積み可否

梱包は、機械を箱に入れるだけでは完了しません。輸送中の振動や傾きで機械が台座から動かないように、ボルト、金具、帯材等で固定します。

機械の脚やキャスターだけで重量を受ける設計になっていない場合は、底面全体で荷重を受けられる台座が必要になることがあります。梱包業者へ機械の重量と支持可能な位置を伝えてください。

木製梱包材は材質と処理表示を確認する

木箱、木枠、木製パレット、ダンネージ等に生の木材を使用する場合は、木材こん包材に関する植物検疫上の確認が必要です。

国際基準ISPM 15では、国際貿易で使用する生木材由来のこん包材について、承認された処理と表示の仕組みが定められています。

一方、合板、パーティクルボード、OSB、ベニヤなど、加工によって病害虫の危険が低減された木質材料は、同じ扱いにならない場合があります。

すべての木箱や木製パレットが一律に同じ規制対象になるわけではありません。次の点を梱包業者へ確認してください。

  • 木箱、木枠、パレットに使用する木材の種類
  • 生木材を使用しているか
  • ISPM 15に基づく処理が必要な梱包材か
  • 処理済みである場合、所定の表示を確認できるか
  • 表示部分が梱包後も見える位置にあるか

民間業者が発行した消毒証明書だけで処理表示の代わりになるとは限りません。判断が難しい場合は、出荷前に植物防疫所または通関担当者へ確認してください。

制度の詳細は、植物防疫所の木材こん包材に関するFAQと、国際植物防疫条約のISPM 15で確認できます。

防錆・防湿・結露・振動対策を決める

海上輸送では、貨物が温度や湿度の変化を受ける可能性があります。金属製の機械や精密部品は、外箱の強度だけでなく、内部の防錆・防湿対策も必要です。

商品と輸送期間に応じて、次の方法を検討します。

  • 防錆油の塗布
  • 防錆フィルム、バリア梱包
  • 乾燥剤の封入
  • 防湿シート
  • 真空梱包
  • 防振材、緩衝材
  • 可動部の固定
  • 精密部品の取り外し・個別梱包
  • 水濡れ注意、天地無用、重心位置等の表示

防錆油や潤滑油を使用する場合は、油の種類、量、引火点などの情報確認を求められる可能性があります。油や液体が入った状態で輸送する場合は、漏れ防止だけでなく、危険物に該当するかを輸送会社へ事前に確認してください。

中国側工場での積み込み条件を確認する

工場集荷を依頼する場合は、輸送車両を手配する前に、工場側の荷役条件を確認します。

  • 工場内へトラックやコンテナ車が進入できるか
  • 積み込み場所に十分な高さと作業空間があるか
  • フォークリフトがあるか
  • フォークリフトの能力が一梱包重量に対応しているか
  • 天井クレーンまたは移動式クレーンが必要か
  • 工場側が積み込み作業を行うか
  • 輸送手配側が荷役機器を用意する必要があるか
  • 積み込み可能な曜日と時間

FCLで工場にコンテナを入れる場合は、コンテナ車が進入・旋回・停車できるかも確認します。

コンテナを工場へ入れられない場合は、別車両で貨物を倉庫や作業場所へ運び、そこでコンテナへ積み替える方法を検討します。その場合、横持ち輸送と積み替え作業が追加されます。

LCLとFCLは物量だけで決めない

確認項目 LCL FCL
貨物の扱い 他社貨物と同じコンテナで輸送する 原則として一社でコンテナを使用する
荷役 中国側・日本側の倉庫で積み替えや仕分けが発生する 工場で積み、日本側までコンテナのまま運べる場合がある
大型・重量物 混載倉庫の荷役能力や一梱包重量の制限確認が必要 コンテナへの積載可否と重量配分の確認が必要
破損リスク 他貨物との接触や積み替えを考慮した梱包が必要 コンテナ内での固定、荷崩れ、偏荷重への対策が必要
日本側 倉庫で取り出した貨物をトラック配送する コンテナ配送または倉庫でのデバンニングを選ぶ

貨物量がコンテナを満たさなくても、一梱包が重い、外寸が大きい、積み替えを避けたい場合はFCLとの比較が必要です。

反対に、FCLを選んでも、工場でコンテナへ積めない、日本側でコンテナから下ろせない場合は、別の荷役工程が必要になります。

LCLとFCLの基本的な違いは、LCLとFCLの違いと選び方で確認してください。

コンテナの扉を通るか、内部で固定できるか確認する

機械の外寸がコンテナの内部寸法より小さくても、実際に積載できるとは限りません。

次の条件を確認してください。

  • 梱包後外寸が扉開口部を通るか
  • フォークリフトやクレーンで入れるための作業空間があるか
  • 梱包を傾けずに積載できるか
  • コンテナ床面で重量を支えられるか
  • 重量が一部分へ集中しないか
  • コンテナ内部で固定作業ができるか
  • 積み込み後に扉を閉められるか
  • 複数梱包の重量配分に問題がないか

コンテナの種類や仕様は一律ではありません。使用予定の船会社やコンテナ種類の仕様を確認し、梱包後外寸と照合してください。

通常のドライコンテナへ積載できない大型機械では、別種類の機器や特殊な荷役が必要になる可能性があります。対応可否と費用は案件ごとの確認になります。

日本側ではデバンニングと国内配送を分けて考える

FCLで日本へ到着した機械は、主に次の方法で引き取ります。

コンテナのまま配送先へ運ぶ

港からコンテナを配送先まで運び、配送先で機械を取り出します。

配送先には、コンテナ車の進入・停車場所と、フォークリフト、クレーン等の荷下ろし設備が必要です。限られた作業時間内に貨物を取り出せるかも確認します。

港・倉庫側でデバンニングする

港や倉庫側でコンテナから機械を取り出し、平車、ウイング車、ユニック車等、貨物と納品先に合う車両へ積み替えて配送します。

デバンニング費用、荷役機器、保管、積み替え、国内配送車両を別々に確認してください。

日本到着後に発生する費用は、中国輸入の港到着後費用で確認できます。

配送先の進入路・車両・荷下ろし設備を確認する

日本側では、配送先住所だけでなく、次の条件を見積もり時に伝えます。

  • 工場、倉庫、店舗、工事現場等の納品先区分
  • 道路幅、高さ制限、重量制限
  • 大型車両やコンテナ車の進入可否
  • 車両が停車・作業できる場所
  • トラックバースの有無
  • フォークリフトの有無と能力
  • クレーンまたはユニック車の必要性
  • 荷受け担当者の配置
  • 納品予約と作業可能時間
  • 車上渡し、軒先渡し、指定場所までの搬入のどれか

ユニック車を手配すれば、すべての機械を下ろせるわけではありません。貨物重量、作業半径、車両の停車位置、周囲の安全条件によって対応可否が変わります。

重量物の荷下ろしが必要な場合は、写真や構内図を用意し、作業場所と設置場所を区別して伝えてください。

据付・組立・電気接続は輸送とは別に確認する

指定場所へ機械を配送する作業と、工場内へ搬入して使用可能な状態にする作業は同じではありません。

次の作業が必要な場合は、輸送範囲に含まれるかを個別に確認してください。

  • 建物内への重量物搬入
  • 養生
  • 開梱と梱包材の撤去
  • 機械の組み立て
  • アンカー固定
  • 電源・配管・排気設備等への接続
  • 水平調整
  • 試運転
  • 既存設備の撤去

搬入設置まで必要な場合は、輸送見積もりとは別に、据付業者や設備工事業者の作業範囲を決める必要があります。

新品と中古品で追加確認が変わる

区分 主な確認事項
新品機械 正式型番、仕様書、取扱説明書、製造者、電気仕様、構成品、保証条件
中古機械 製造年、使用履歴、現状写真、作動状態、汚れ、残留物、油・冷媒、欠品、銘板

中古機械では、商品価格の根拠や機械の状態について追加説明を求められる可能性があります。売買契約書、支払資料、型式・製造年が分かる銘板写真などを保存してください。

中古機械内部に材料、薬品、油、冷媒、加工くず等が残っている場合は、輸送の引き受け条件や法令確認に影響することがあります。出荷前に内部を確認し、内容物がある場合は種類と量を申告してください。

電気用品・圧力設備・危険物・油脂類は個別確認が必要

機械類は、輸送できることと、日本で輸入・販売・使用できることを分けて確認します。

電気用品を含む機械

電源を使用するすべての機械が一律にPSE対象になるわけではありません。ただし、機械本体や付属する電源装置、コード、モーター、制御機器等が電気用品安全法の対象になる可能性があります。

対象となる電気用品を輸入・販売する場合は、輸入事業者として届出、技術基準への適合確認、検査、表示等が必要になる場合があります。

経済産業省の電気用品安全法の製造・輸入事業者ガイドで対象と手続きを確認してください。

圧力設備・高圧ガスを含む機械

圧力容器、ボイラー、高圧ガス容器、高圧ガスが封入された装置などは、機器の仕様と使用状態により別の法令や検査が関係する可能性があります。

単に「圧力設備」と判断せず、使用圧力、容量、内容物、ガスの種類、容器、使用目的を整理し、輸入前に所管機関や専門事業者へ確認してください。

危険物・油脂・冷媒・電池を含む機械

機械に次の物が含まれる場合は、出荷前の申告が必要です。

  • 潤滑油、作動油、燃料
  • 塗料、接着剤、洗浄剤
  • 冷媒
  • 高圧ガス
  • リチウムイオン電池
  • その他の液体・粉末・化学品

危険物に該当する場合は、一般貨物と同じ条件では輸送できません。SDS、成分、国連番号、危険性分類、引火点、内容量などの提出を求められる場合があります。

対応可否は商品と輸送方法によって変わるため、内容物を抜けば必ず一般貨物になる、少量なら申告不要などと自己判断しないでください。

通関前に商品説明とHSコードを整理する

機械の関税分類は、名称だけでなく、機能、用途、構造、動作原理、構成品などを基に確認します。

通関用の商品説明には、次の情報を含めます。

  • 正式な商品名
  • メーカーと型番
  • 機械の機能と用途
  • 加工・製造する対象物
  • 主な材質
  • 動作原理
  • 電源、出力、能力
  • 機械本体と付属品の内訳
  • 新品または中古

交換部品では、部品単体の名称、材質、機能、対応機種を記載します。機械本体と交換部品が必ず同じHSコードになるとは限りません。

分類が難しい場合は、輸入前に税関へ関税分類等を照会できる事前教示制度の利用を検討してください。

商品によって関税関係法令以外の許可、承認、検査等が必要な場合があります。税関の輸入関係他法令の概要も確認してください。

準備する書類・写真・図面

資料 確認できる内容
Invoice 売主・買主、商品名、数量、単価、金額、取引条件
Packing List 梱包番号、梱包数、外寸、正味重量、総重量
仕様書・カタログ 機能、用途、能力、電気仕様、構成
外観写真 機械の形状、銘板、突起部、付属品
梱包写真 木箱、スキッド、固定状態、処理表示
図面 外寸、重心、吊り位置、フォーク差し込み位置
SDS等 油、冷媒、薬品等の成分と危険性
配送先資料 構内図、進入路、搬入口、荷下ろし場所、設置場所

輸入通関の基本書類については、中国輸入で必要な書類一覧を確認してください。

機械輸送の見積もりに必要な情報

相談前に、次の情報を分かる範囲で整理してください。

  • 具体的な商品名、用途、型番
  • 新品または中古
  • 中国側の集荷住所
  • 梱包数
  • 梱包後の一梱包ごとの外寸と重量
  • 総重量と総CBM
  • 重心、吊り位置、フォーク差し込み位置
  • 木箱、スキッド、パレット等の梱包方法
  • 段積み・横倒しの可否
  • 油、冷媒、電池、ガス、液体等の有無
  • 中国側工場の積み込み設備
  • EXW、FOB、CIF等の取引条件
  • 日本側の配送先住所
  • 配送先の車両進入条件
  • フォークリフト、クレーン等の荷下ろし設備
  • 車上渡し、軒先渡し、搬入設置等の希望範囲
  • 希望納期

外寸や重量が未確定の場合は、機械本体の仮寸法ではなく、工場へ梱包設計後の予定寸法を確認してください。未確定の数値は、確定値と区別して伝えます。

1回200kg以上の機械・設備輸送を相談する

中国から日本への機械、設備、部品の輸送は、商品内容と荷役条件を確認したうえで対応可否を判断します。

DIGISHIPが、すべての機械、重量物、危険物、特殊設備に対応できるとは限りません。梱包後寸法、重量、内容物、中国側の積み込み、日本側の荷下ろし条件を相談内容へ記載してください。

  1. cn-import.jpの相談ページへ案件条件を入力する
  2. 入力内容がDIGISHIPへ共有される
  3. 最初の連絡からDIGISHIP担当者が対応する
  4. 商品、梱包、荷役、法令、配送先の条件を確認する
  5. 対応可能な場合は、輸送範囲と見積条件を整理する

DIGISHIPの対応範囲はDIGISHIPでできること、案件との適性はDIGISHIPが向いている会社・向いていない会社で確認できます。

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